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正当な苦情とカスハラは、どう見分けるか

厚生労働省の指針は、顧客等からの苦情のすべてがカスタマーハラスメントではなく、社会通念上許容される範囲で行われたものは正当な申入れだとしています。見分けは、言動の内容と手段・態様、従業員の就業環境への影響の3点で行います。

2026年10月31日更新(出典の確認日も同じ)/編集:ちんあなご編集部

最初の一言

「ご指摘ありがとうございます。状況を確認します。まず、起きたことを順に教えていただけますか。」

してはいけないこと

正当な申入れを、すぐにカスハラと決めつける。反論から入る。自社の対応を点検せずに相手のせいにする。

記録に残すこと

申し出の内容、相手の求めていること、言動の手段(声、回数、時間)、こちらの対応。

相談先

判断に迷う場合は、責任者と相談窓口に広く相談します。法的な判断は弁護士に相談します。

Elements

カスタマーハラスメントの3つの要素

指針は、次の3つをすべて満たすものとしています。1つでも欠ければ、カスタマーハラスメントにはあたりません。

1. 顧客等の言動

顧客だけでなく、取引の相手方、施設の利用者、その家族、近隣住民なども含まれます。店頭だけでなく、電話やSNS上のものも含みます。

2. 社会通念上許容される範囲を超える

言動の内容が契約からして相当でない場合か、手段や態様が相当でない場合です。一方だけが超えていてもあたり得ます。

3. 労働者の就業環境が害される

平均的な労働者の感じ方を基準に、就業するうえで看過できない支障が生じるかで判断します。

Not harassment

カスハラにあたらないもの

正当な申入れ

商品の不具合の指摘、改善の要望、説明の求めなどです。社会通念上許容される範囲なら、苦情が強い言葉であっても、直ちには該当しません。ただし内容が妥当でも、手段が暴力的・威圧的・継続的・拘束的なら該当し得ます。

障害のある方の配慮の求め

指針は、障害者が不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨を伝えること自体は、カスタマーハラスメントにあたらないとしています。

すぐ取り下げられた不当な要求

マニュアルは、要求内容に妥当性がなくても、断ったらすぐに取り下げた場合は就業環境が害されたとはいえず、該当しない可能性があるとしています。

Flow

事実を整理する順序

マニュアルが示す事実関係の整理の流れを、窓口で使いやすい形にしました。

  1. 1. 時系列で事実を把握する何が、いつ、どの順で起きたかを整理します。
  2. 2. 相手の求めを把握する何を求めているのか(返金、謝罪、再発防止など)を整理します。
  3. 3. 内容が許容範囲かを検討する要求に根拠があるかを、事実と因果関係から確認します。
  4. 4. 手段・態様が許容範囲かを検討する声の大きさ、回数、時間、居座りの有無などを確認します。

周囲の従業員から事実を聞くこと、録音・録画で状況を確かめることも、より正確に把握する方法として示されています。

Cause

自社の対応が原因になっていないか

指針とマニュアルは、苦情がカスタマーハラスメントに発展する背景に、商品やサービス、接客の問題や、顧客等とのコミュニケーション不足があり得ることに触れています。初期対応で誠意ある対応と事実確認を丁寧に行うことが、発展を防ぐ入り口とされています。

お客様が、消費者庁の案内する消費者ホットライン188などを通じて消費生活センターに相談することは、消費者に認められた手段で、それ自体は問題ではありません。

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この場面の出典(公的機関)

法令や運用は改正されることがあります。実際の対応の前に、最新の原文と専門家の案内を確認してください。

編集:ちんあなご編集部。このページは社内対応を整理するための情報提供で、法的な判断や個別の事案への助言ではありません。刑事や損害賠償にかかわる判断は、警察や弁護士などの専門家に相談してください。

自社の窓口に合わせて整理したいとき

窓口、件数、困りごとを書き出してから相談すると、任せる範囲が決めやすくなります。

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