クレーム対応した従業員を、どう守るか
厚生労働省の指針は、カスタマーハラスメントの事実が確認できたら、速やかに被害を受けた従業員への配慮の措置を取るよう求めています。管理監督者が代わって対応する、被害者と行為者を引き離す、担当の変更や複数人での対応、メンタルヘルスの相談対応などが例です。
「大変でしたね。まず状況を聞かせてください。ここから先は私が対応します。」
「気にしないで」と流す。「あなたの対応が悪かったのでは」と責める。同僚の前で詳しく聞く。
何が起きたか、従業員の様子、会社が取った措置。個人情報の扱いには気をつけて共有します。
社内の相談窓口へ。社外では、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナー。
被害を受けた従業員への措置
暴力などがあった場合は、従業員の安全を最優先します。管理監督者が顧客対応を代わる、従業員を引き離す、担当を変える、複数人で対応する、状況により警察や弁護士と連携する、が例です。
不調の兆候があれば、産業医、産業カウンセラー、臨床心理士などの専門家に相談対応を依頼するか、医療機関の受診を促します。
指針は、被害者と行為者を引き離すための配置転換も例に挙げています。本人の意向を聞いて決めます。
相談者から自殺を暗示する言動があった場合は、人事部門と連携し、直ちに産業医などの医療専門家につなぐ、とマニュアルは示しています。
相談窓口を作る4つのこと
指針は、窓口をあらかじめ定めて従業員に周知することを求めています。担当者を決める、制度を設ける、外部の機関に委託する、が例です。
- 1. 窓口と担当者を決める他のハラスメントの窓口と一体にしてもかまいません。小さな会社では、経営者が担うことも想定されています。
- 2. 広く受け付けるカスハラに当たるか微妙な場合や、放置すると就業環境を害するおそれがある場合も、広く相談に応じます。
- 3. 聞き方に気をつける傾聴する姿勢を大切にし、詰問にならないようにします。相談者の心身の状況や受け止めにも配慮します。
- 4. 周知する窓口の場所、連絡先、プライバシーが守られること、不利益な取扱いがないことを伝えます。
相談した人を守る二つの約束
相談者等の情報は、その人のプライバシーです。マニュアルに取り扱いを定め、窓口の担当者に研修を行います。
相談したことや、事実確認に協力したことを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをしない旨を定めて周知します。指針が求める措置です。
従業員を守る場面でよくある疑問
カスハラと認定できないときは、何もしなくてよいですか。
指針は、カスタマーハラスメントが生じた事実が確認できなかった場合も、再発防止の措置は講ずるとしています。方針の周知や、原因になり得る商品・接客の見直しなどです。
事案の記録は、どう活かしますか。
事案の内容と対応経緯を記録し、個人情報の扱いに留意して関係部門に共有し、再発防止に使うことが示されています。
罰則はありますか。
このサイトでは、罰則や行政の手続きについては解説しません。対応が不十分な場合は、都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象となり得ると、厚生労働省のマニュアルが述べています。
あわせて確認する場面
この場面の出典(公的機関)
- 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」(令和8年9月)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策」のページ(令和8年10月1日から全ての事業主の義務となった旨、相談先の案内)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
法令や運用は改正されることがあります。実際の対応の前に、最新の原文と専門家の案内を確認してください。
編集:ちんあなご編集部。このページは社内対応を整理するための情報提供で、法的な判断や個別の事案への助言ではありません。刑事や損害賠償にかかわる判断は、警察や弁護士などの専門家に相談してください。
自社の窓口に合わせて整理したいとき
窓口、件数、困りごとを書き出してから相談すると、任せる範囲が決めやすくなります。