暴言や人格を否定する言葉への対応
人格を否定する言動は、指針が精神的な攻撃の例に挙げています。相手の性的指向やジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動もこれに含まれます。マニュアルは、侮辱的な発言には後で事実確認ができるよう録音し、程度がひどい場合は退去を求める、という対応例を示しています。
「お話は伺いますが、人を傷つけるような言葉は控えていただけますか。続く場合は、対応を終了します。」
言い返す。同じ調子で応じる。従業員に「我慢して」と求め続ける。
言葉をできるだけそのまま、日時、同席者。属性にふれる言葉は、共有範囲を絞って記録します。
責任者と相談窓口へ。侮辱や名誉毀損が重い場合は警察や弁護士に相談します。
暴言を受けたときの5つの手順
- 1. 一度だけ、やめるよう伝える「その言葉は控えてください」と短く伝えます。応酬になるのを避けます。
- 2. 録音・記録を始める後で事実確認ができるよう、録音します。録音ができない場合は、言葉を書き留めます。
- 3. 責任者に代わる・複数名で対応する従業員が一人で受け止め続けないようにします。
- 4. 続くなら退去・終了を求めるマニュアルは、程度がひどい場合に退去を求める例を挙げています。電話なら、告げたうえで切ります。
- 5. 本人のケアと共有言葉を受けた従業員から事情を聞き、必要なら相談窓口につなぎます。
属性にふれる侮辱があったときの記録
相手の発言は事実として残しますが、被害を受けた従業員の属性など機微な情報は、共有する人を絞ります。
指針は、相談者等の情報はプライバシーに属するとし、性的指向やジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報も含まれるとしています。
従業員の了解を得ずに、他の人に暴露することは、指針で精神的な攻撃の例に挙がっています。社内でも同じ配慮をします。
法律との関係
マニュアルは、関連する条文の参考として、刑法の侮辱罪(第231条)や名誉毀損罪(第230条)を挙げています。実際にあたるかどうかは、場所や回数、内容で変わり、警察や弁護士が判断します。このサイトでは、個別の言葉が犯罪にあたるとは断定しません。
暴言でよくある疑問
「馬鹿」と言われたら、すぐカスハラとして対応しますか。
1回の言葉だけで決めつけず、頻度、継続、状況、従業員の受け止めを総合して判断します。ただし、強い精神的苦痛を与える態様なら、1回でも就業環境を害し得ると指針は述べています。軽く見えても、従業員から相談があれば、窓口が受け付けます。
従業員が「もう電話に出たくない」と言っています。
放置せず、担当の変更や、責任者による対応への切り替えを検討します。社外では、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナーでも相談できます(厚生労働省の案内)。
あわせて確認する場面
この場面の出典(公的機関)
- 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」(令和8年9月)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策」のページ(令和8年10月1日から全ての事業主の義務となった旨、相談先の案内)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
法令や運用は改正されることがあります。実際の対応の前に、最新の原文と専門家の案内を確認してください。
編集:ちんあなご編集部。このページは社内対応を整理するための情報提供で、法的な判断や個別の事案への助言ではありません。刑事や損害賠償にかかわる判断は、警察や弁護士などの専門家に相談してください。
自社の窓口に合わせて整理したいとき
窓口、件数、困りごとを書き出してから相談すると、任せる範囲が決めやすくなります。