土下座や謝罪の強要には、どう対応するか
土下座の強要は、厚生労働省の指針が「精神的な攻撃」の例に挙げる行為です。応じずに責任者へ引き継ぎ、謝罪は事実を確認できた範囲に限ります。強要が続くときは退去を求め、警察や弁護士に相談します。
「そのご要望にはお応えできません。事実を確認したうえで、ご不快な思いをされた点についてはご説明とお詫びを申し上げます。」
怖さから応じる。「申し訳ありません」を繰り返して、非を認めたと受け取られる。一人で対応し続ける。
求められた言葉をできるだけそのまま、時刻、場所、同席者、録音や防犯カメラの有無。
責任者へすぐ引き継ぎます。強要が続くなら警察、金銭の請求が出たら弁護士です。
謝罪の線引き
謝ること自体を避けるのではなく、何について謝るのかを限定します。
マニュアルは、対象となる事実を明確にして限定的に謝ることを勧めています。例は、不快な思いをさせてしまったことへのお詫びです。
状況が分からない段階で会社の非を認める発言をすると、後で事実が違うと分かっても撤回しにくくなります。非を認める謝罪は、事実確認と社内の判断のあとにします。
謝罪は過失の程度に応じたものにします。強要されて出した謝罪は、程度の釣り合いを欠きます。
現場では書かず、文面は社内で確認し、責任者が承認した内容だけを出します。
現場での5つの手順
- 1. はっきり断る「土下座はできません」と短く伝えます。理由を長く説明すると、議論になります。
- 2. 時間・人・場所を変えるマニュアルは、店頭で対応せず時間、人、場所を変えることを検討するよう示しています。別室や後日にします。
- 3. 複数名で対応する責任者や同僚に入ってもらいます。悪質性が疑われる場合は、単独で対応しません。
- 4. 退去を求める強要が続く場合は、お引き取りを求めます。身の危険を感じたら、待たずに通報します。
- 5. 記録して共有する言葉、時刻、同席者を書き出し、責任者に渡します。
言い方の例
言ってよい例
- 「土下座はできかねます。ご用件は伺いますので、お話しください。」
- 「事実を確認してから、改めてご説明します。」
- 「これ以上は、お引き取りをお願いします。」
避ける例
- 「わかりました、すみません。」と膝をつく。
- 「そんなことは言っていません」と言い争う。
- 「今回は全額お返しします」と謝罪と一緒に補償を口にする。
法律との関係
マニュアルは、脅迫や強要にあたり得る行為の関連条文として、刑法の強要罪(第223条)や脅迫罪(第222条)などを参考に挙げています。あくまで参考で、実際にそれらにあたるかどうかは事案ごとに警察や弁護士が判断します。このサイトでは断定しません。
緊急の事件や事故は110番です。緊急ではない相談は、警察相談専用電話の#9110か最寄りの警察署で受け付けています。
土下座の強要でよくある疑問
撮影されているときはどうしますか。
撮影そのものが直ちに問題になるとは限らず、状況で判断が分かれます。撮影をやめるよう求めたうえで責任者と相談します。指針は、盗撮や無断での撮影を精神的な攻撃の例に挙げています。
「謝らないなら訴える」と言われたら。
その場で結論を出さず、記録して弁護士に相談します。法律上の見通しを現場で説明する必要はありません。
あわせて確認する場面
この場面の出典(公的機関)
- 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」(令和8年9月)
確認日:2026年10月31日
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf - 警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」(緊急時は110番、緊急でない相談は警察相談専用電話 #9110 または最寄りの警察署)
確認日:2026年10月31日
https://www.npa.go.jp/goiken_index.html
法令や運用は改正されることがあります。実際の対応の前に、最新の原文と専門家の案内を確認してください。
編集:ちんあなご編集部。このページは社内対応を整理するための情報提供で、法的な判断や個別の事案への助言ではありません。刑事や損害賠償にかかわる判断は、警察や弁護士などの専門家に相談してください。
自社の窓口に合わせて整理したいとき
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